蒲焼きと照り焼きの違いとは?「かばやき」の由来について

雑学・豆知識

夏の暑い日に、昼食や夕食の時間に街を歩くと、ふとうなぎの蒲焼きの香りが漂ってきます。

「これだけでご飯三杯は余裕で食べられる」と感じたことはありませんか?そして、そんな時に「蒲焼きって、なぜその名前なのだろう?」と疑問に思ったことはありますか?(実は私、蒲焼き一つでご飯三杯食べることができますよ!)

日常的に使う言葉でも、なぜその言葉を使うのか疑問に思うことがありますね。今回は、そんな「かば焼き」について、

・蒲焼きの読み方は?

・蒲焼きとは具体的にどんな料理か?

・蒲焼きと照り焼きの違いは何か?

これらの点について詳しく探っていきます。

蒲焼きの正しい読み方と「蒲」の意味は?

「蒲焼き」は「かばやき」と読みます。「蒲」はガマ科の植物で、水辺に生える多年草です。「がま」とも読みますが、「かば」とも呼ばれています。さらに、「蒲色」という言葉からもその名が由来しており、蒲の穂の赤みがかった黄色の色を指します。

蒲焼きとは具体的にどんな料理?

「蒲焼き」という名前に使われる「蒲」ですが、実際に蒲の葉や穂を使って焼いているわけではありません。蒲焼きとは、主にうなぎやあなごの内臓を取り除いた後に串に刺し、醤油やみりんで作ったタレを塗りながら焼いた料理です。なぜこの料理が「蒲焼き」と呼ばれるのかにはいくつかの説がありますので、それについても触れていきたいと思います。

なぜ「蒲焼き」という名前がついたのか?①形状からの由来

古くは、うなぎをぶつ切りにして串に刺し、塩を振って焼く方法が一般的でした。これをお祭りの屋台で見かける長い棒に刺されたフランクフルトに例えるとわかりやすいでしょう。当時はタレを使っての調理は行われていませんでした。焼かれるうなぎの形が、自然に蒲の穂に似ていたため、「蒲の穂焼き」と呼ばれるようになり、これが時間を経て「蒲焼き」と短縮されたとされる説です。

なぜ「蒲焼き」という名前がついたのか?②香りからの由来

うなぎを焼く際には特有の香ばしい香りが立ち上がります。この香ばしさが「かんばしい焼き」と呼ばれるようになり、やがて「かばやき」と呼ばれるようになったという説があります。さらに、焼き始めるとすぐに広がる食欲をそそる香りから、「香疾焼」という名前がついたという別の説も存在します。

なぜ「蒲焼き」という名前がついたのか?③色からの由来

うなぎを焼いた際の色が赤黒く、樺の木の色に似ていたことから「樺焼き」と呼ばれるようになり、それが「蒲焼き」へと変わったという説もあります。個人的には、焼かれた時の形が蒲の穂に似ているという説が最も自然に感じます。

蒲焼きと照り焼きの違いは何か?

蒲焼きと照り焼きは共に醤油、みりん、砂糖を使った甘いタレで調理され、どちらもご飯によく合い、香ばしい香りが特徴です。では、具体的にこれら二つの料理の違いは何でしょうか?

蒲焼きと照り焼きの違い①蒲焼きとは

蒲焼きは、具体的にはうなぎやあなごなどを串に刺し、タレを塗りながら焼く方法です。うなぎやあなごが高価になる中で、太刀魚など他の魚を代用して使うこともあります。たれに浸しながら直火でじっくりと焼くことで、余分な脂が落ち、しょうゆが焼ける香りと合わさり、深い風味が引き出されます。これが蒲焼きの特徴であり、食欲を刺激する理由です。

蒲焼きと照り焼きの違い②照り焼きの特徴

一方で、照り焼きは以下の方法で作られます:

  • 刷毛を使って食材にタレを塗り、表面に美しい光沢が出るように丁寧に焼き上げる
  • うまみをしっかり閉じ込める

主に使用される食材は、ブリやカジキマグロの切り身や鶏肉などで、みりんを含むタレが食材につやを与え、ご飯との相性も抜群です。

これら二つの料理は、基本的に同じ種類の調味料を使用しますが、以下の点で異なります:

  • 串に刺すかどうか
  • タレの塗り方
  • 使用する食材
  • 焼き方や仕上げ方

どちらも炊きたてのごはんと一緒にあれば、食欲をそそる最高のおかずになります。

照り焼きと蒲焼きのタレの違いは本当にないのか?

「照り焼き」と「蒲焼き」は調理方法に分類されるため、基本的には同じタレを使います。タレを食材に塗って焼くのが照り焼き、タレに食材を浸して焼くのが蒲焼きです。私が料理を始めた当初に覚えたのはこの照り焼きのタレで、とても単純なレシピです:

  • 醤油、料理酒、みりん、砂糖を1:1:1:1の割合で混ぜる

これだけで、基本的にはどんな食材でも日本人の好みに合うおいしい味になります。特に鶏肉やつくね、ハンバーグなど、肉料理には間違いなく合います。今晩は、特売で購入した鶏もも肉を使って、照り焼きを作る予定です。

電子レンジで簡単!照り焼きのタレの作り方

照り焼きのタレは、電子レンジを使って簡単に作ることができます。以下の割合で調味料を耐熱容器に入れましょう:

  • 醤油:大さじ2
  • 料理酒:大さじ2
  • みりん:大さじ2
  • 砂糖:大さじ2

これにさらに、とろみを出すために片栗粉小さじ1を加え、よく混ぜ合わせます。次に、600Wの電子レンジで1分程度加熱するだけで、とろみのあるタレが完成します。

この方法で作るタレは少しとろみがあり、流れにくいため、照り焼きチキンピザなどの具材にも最適です。家庭で簡単に作れるこのタレを使えば、家族から喜びの声が上がること間違いなしです。

さらに、このタレ作りは子どものお手伝いにもぴったりです。分量を計ることから始めて、調理の楽しさを一緒に体験できるはずです。簡単な手順でおいしいタレが完成すると、料理に興味を持つ良いきっかけになるでしょう。

照り焼きのタレの作り置き方法と保存期間について

照り焼きのタレは、電子レンジだけでなく、鍋で煮詰める方法でも作ることができます。この方法では、以下の分量を鍋に入れ、弱火で煮詰めます。

  • 醤油:150cc
  • 料理酒:150cc
  • みりん:150cc
  • 砂糖:45gから150g(お好みで調整)

煮詰めることで自然にとろみが出るため、片栗粉は必要ありません。煮詰めると甘みが強くなることがあるので、味を見ながら最適な甘さに調整すると良いでしょう。

この方法で作ったタレは、350ccから400cc程度になります。完成したタレは小さなペットボトルなどに入れて冷蔵庫で保存すると、2〜3週間は保つことができます。場合によっては1ヶ月ほど持つこともありますが、使用する前には以下をチェックしてください。

  • 変なにおいがしないか
  • 色や味に変化がないか

これらを確認してから使うようにしましょう。焼き鳥のお店などで見られる「継ぎ足しタレ」は特別な管理が必要です。家庭ではそのような長期間の保存は難しいため、推奨される保存期間を守ることが重要です。

照り焼きのタレを活用したアレンジレシピ

多用途で魅力的な照り焼きのタレを使用した、いくつかのアレンジ料理を紹介します。ここでは、既に照り焼きのタレを作ってあることを前提に進めていきます。

鶏もも肉の照り焼きレシピ

  1. 鶏もも肉(1枚)を適当な大きさに切ります(一口サイズでも、一枚まるごとでも可)。
  2. 皮を下にして焼き、その後裏面もしっかりと焼きます。
  3. 照り焼きのタレ(大さじ3)を加え、タレが絡むまで炒め焼きにします。

これで完成!とても簡単ですよね。一口サイズに切った鶏肉をタレで味付けすると、味がしっかり染み込んで非常に美味しいです。また、鶏もも肉を一枚そのまま焼いてから、食べやすい大きさに切るのも一案です。特に育ち盛りの子どもには、大きな一枚肉を豪快に提供すると、見た目のボリューム感で喜ばれること間違いなしです。

ちくわの照り焼きレシピ

  1. ちくわを好きな量だけぶつ切りにします。
  2. 長ネギも同じくらいの大きさに切ります。
  3. 照り焼きのタレを適量加え、ちくわとネギを絡めながら焼きます。

このレシピは非常にシンプルで、量も具体的に書いていませんが、それでも十分美味しくできます。ちくわは冷蔵庫で見過ごされがちな食材ですが、「肉も魚もない!」という時に重宝します。

きのこのテリヤキレシピ

まず、お好みのきのこ(しめじやエリンギなど)を準備します。フライパンにオリーブオイルを熱し、きのこをさっと炒めます。次に、テリヤキソースを加え、よく絡めながら焼きます。

実はテリヤキソースは、きのことの相性が抜群です!このレシピでは基本的な食材のみを紹介していますが、余った野菜を加えて一緒に調理すると、より美味しくなります。色々な組み合わせで試してみるのがおすすめです。

蒲焼とは何か?まとめ

「うなぎの蒲焼き」という言葉を普段使っていますが、「蒲」とは何か、と考えると興味が湧くことでしょう。

国産のうなぎの蒲焼きは価格が高騰し、一般的には手が出しにくくなっています。しかし、市街地を歩いていると、どこからともなくうなぎの蒲焼きの香りが漂ってくることがあります。

そんなとき、うなぎの輪切りが串に刺さっている「蒲の穂」を想像すると面白いですね。

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